上条当麻の○○について考えてみる
この記事は新約9巻の重大なネタバレを含んでいます。
未読の方はご注意をお願い致します。
記事の内容は裏設定についての考察という訳でもないので、ご了承の程よろしくお願いします。
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禁書で一番好きな巻は何ですか?
僕は新約9巻です。
鉄板な巻で申し訳ないんですけど、この巻で受けた様々な衝撃が未だに忘れられません。
吹寄、青ピ、小萌先生が本気で上条当麻を殺しにかかる。
上条刀夜が上条当麻を捨てる。
知らない上条に全てを奪われる。
上条当麻が本気で自殺を考える程に追い詰められる。
上条当麻の4ページに渡る長台詞
神様vs上条当麻というアツい戦い
「さあ戦え。たった一人の少女の命と笑顔を守るために、右の拳を握りしめて。」
などなど受けた衝撃は他にもまだまだあります。
新約10巻とは違った形で禁書10年間をフル活用した巻という感じではないでしょうか。
読んでる時、時間が亜光速で流れていったのを覚えています。
禁書の終わりがいつかは分かりませんが、完結を迎える前にこの衝撃をもう一度味わいたいものです。
突然勝手に新約9巻について語ってしまって申し訳ないのですが、色んな人の「禁書で一番好きな巻」の話を聞くのが滅茶苦茶好きなので機会があれば何処かで聞きたいものです
(語りたい!という人がいらっしゃいましたら、是非ともコメントでお書き下さい!)
上条当麻の年齢について考える
(このタイトルだけでもネタバレになる可能性があるのでタイトルをボカせて頂きました。)
新約9巻といえば上条さんとオティヌスか長〜い時間を共にしたという事です有名ですが、この長い時間について実際の描写から調べていこうと思います。
数千万年、数億年など割と各所で適当に言われてるのですが、意外にもこれについて調べている人が居なかったので、今回調べてみることにしました。
(ブログネタがあんまりない)
新約9巻の流れは、
①世界滅亡
↓
②上条当麻とオティヌスしかいない黒一色の世界
↓
③上条当麻、無数の地獄を体験
↓
④上条当麻とオティヌスのバトル
↓
⑤上条当麻が負ける毎に②〜④をループ
↓
⑥ 上条当麻、主神の槍を破壊
↓
⑦世界をループ出来ない状態で上条当麻敗北
↓
⑧オティヌス、上条当麻が唯一の理解者である事に気づく
↓
⑨オティヌス、最後の力を使い、新約8巻ラストまで世界を戻す
という流れになっています。
③と⑤についてこれから調べていきます。
先ずは最初に③について考えていきます。
上条当麻が体験した無数の地獄について考えることは2つあります。
1、地獄の平均時間はどれくらいか?
2、体験した地獄の数はどれくらいか?
1について実際の描写から推測してみましょう。
時間について描写があるのは「第6章 移ろい揺らぐ世界 Version_Beta」「第6章 移ろい揺らぐ世界 Version_Omega」です。
Betaは「上条当麻に奪われた世界」で、Omegaは「幸せで完璧な世界」です。
最初にBetaでの描写について
『上条』はそこで目を覚ました。
ここは学園都市の中。彼が通う学校の、いつもの教室のようだった。
クラスメイト達は席を離れて自由に騒いでいて、ここには教師はいなかった。何やら、弁当のものらしき食べ物の匂いも鼻につく。
どうやら、昼休みの最中に自分の席へ突っ伏すように眠っていたらしい。
出展:「新約とある魔術の禁書目録 9巻 」88ページ
と書いてあるように、この世界の始まりはお昼であることが分かります。
12時であると予想します。
そして世界の終盤の描写について
『上条当麻』は、オレンジ色に染まる教室の一番端の一番隅の席で、呆けたように座っていた。
出展:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」121ページ
このように日没前になっている事が分かります。
何時頃なのでしょうか?
日没といっても季節によって時間が変わりますので何月辺りなのか推測してみます。
ヒントは挿絵にありました。
思いっきり美琴も吹寄も土御門も青髪ピアスも冬服着ていますね。
また、インデックスと『上条』の会話で、おでんを食べに行くというものがありますので秋か冬であることがこちらでも確認できます。
何月か?という事が気になりますが、新約8、9、10巻は一応11月中の出来事なので、11月と仮定します。
一応作中では学園都市は東京にあるので、東京の11月の日没時間を調べます。
日の出入り@東京(東京都) 平成30年(2018)11月 - 国立天文台暦計算室
こちらに東京での11月の日没時間を纏めた表があります。
新約とある魔術の禁書目録8巻の時系列は11月20日頃なので、日没時間は16:32となります。
つまり、Betaの世界は4時間~4時間半の出来事であることが確認できます。
Omegaの時間についても考えてみます。
時間を確認出来る描写を探します。
そちらに振り返ってみると、緑色の芝生の上にビニール製のレジャーシートを敷いて、少女と若い夫婦が座っていた。籐を編んだバスケットの中から時折サンドイッチを取り出しては、美味しそうに頬張っている。
出展:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」143ページより
この描写はOmega序盤にあります。
この事からこの世界も始まりはお昼頃である事が確認できます。
この世界の終わりは上条当麻が自殺をしようとした瞬間とします。
総体の登場はオティヌスにとって予想外であったはずなので、オティヌスが想定していた世界の終わりは上条当麻が自殺した瞬間であると言えます。
結局最終的にOmegaの世界でオティヌスと上条当麻は戦う事になるのですが、一応世界の終わりはオティヌスの想定していた瞬間とします。
描写を探すと
しばらく、上条は黄金色に染まる街を眺めていた。
不思議な事に、ここまできてまだ少年の心の中には『飛び降りる』という簡潔な行動に対する躊躇や恐怖がほんの少し残っていた。
出展:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」175ページより
これは自殺前の描写です。
総体と出会ってからの描写を探します。
窓から差し込む黄金の光は翳りを見せており、もうあと数十分もしない内に完全な闇に沈むだろう
出展:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」186ページより
日没寸前であることが確認できます。
これらの描写より自殺をしようとした瞬間は「日没前」であることが分かります。
先程書きましたが、東京の日没時間は16:32ということです。
あと数十分もしない内に沈むかつ、自殺前は夕方...
ここら辺から自殺を決意した瞬間は16時前後であるとします。
しっかり時間が確認できる2つの描写だけで考えると、1つの地獄につき時間は4時間前後と仮定出来ます。
また、132ページ様々な地獄について書かれています。「腐葉土の中に埋められて、生きながらに手足先が腐敗していくもの」「宇宙船に乗せられて運任せに無重力空間に投げ出され、ロボットや小惑星によって破壊される」
などなど、時間が長いものから推定出来ないものまであります。
推定出来る物は推定していきます。
「意識はあるのに病院のベッドから動けず、勝手に死亡扱いされて、そのままお葬式が進んでいくもの」
死亡してからお葬式が進むのはどれくらいの日数なのでしょうか。
このサイトには死亡してから葬式までの平均日数は4〜5日と書かれています。
一体どこから平均を出したのかは分かりませんが、一応企業のサイトですので信用します。(果たして信用していいのか)
なのでこの地獄の場合は4〜5日もあったということになります。
このように長いものもあるという訳ですね。
オティヌスの地獄について、上条当麻はこのように地の文で述べています。
オティヌスはじきに仕掛けてくる。一度始まってしまえば世界の破滅や崩壊はもう止められない。幸い、『何もない広い砂漠だけの世界で100年間のんびり待つ』みたいなものはなかった。恐らく彼女自身が付き合っていられないのだろう。
出展:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」140ページより
この文章からオティヌスの地獄はすぐに終わるのものが多く、葬式のような長い地獄は珍しいということが確認出来ます。
「彼女が付き合ってられない」というものは、上条当麻と根比べ勝負をした結果、オティヌスが負けてしまった要因でもあります。
根比べ勝負で負けてしまった部分もあるので、恐らく1つの地獄につき4時間前後というのはかなり的を得ていると考えています。
妄想という形で申し訳ないのですが、全部の地獄中、4日も続く地獄は全体の1%、他99%の地獄は4時間で終わるとします。
次にオティヌスが用意した地獄はどれくらいか?というのを考えていきます。
オティヌスの台詞を振り返っていきます。
「何万程度で済むとでも?」
出典:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」129ページ
数万程度で数えられるくらいではないことが分かります。
「世界なんてものが数万数億も都合良く存在している訳でもない。ここは、やっぱり、俺達の世界だったんだ。最初っから、何にも……どこにも……移動なんかしていない……」
出典:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」 133ページ
この台詞は上条当麻がOmegaの世界に行く前のものです。つまり、最後の地獄に行く前です。
ここで気になるのが「数億」と発言したことです。
先程のオティヌスの発言を照らし合わせると数億という表現は比喩ではない可能性があることが分かります。
例え比喩であってもそれくらいの数の地獄は受けているという事ででしょう。
この上条の発言以外で回数が特定出来るものがなかったので、地獄の数を数億とします。
次に考えるものがループの回数です。
実際の描写を探してみます。
何万回でも、何十万回でも、何百万回でも繰り返した。
いつかどこかで、ちっぽけな少年が一度でも失敗するのを待つために。
出典:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」241ページ
この文章からオティヌスと上条当麻は数百万回のループをしていることが分かります。
一〇〇三一回の殺戮を超えて答えを得る。
出典:「新約とある魔術の禁書目録 9巻」255ページ
これは上条当麻がオティヌスに「本気の根比べ勝負をしようぜ」と発言した後のループ数となります。
これらの描写からループの数は
何百万回+一万三十一回
であることが分かりました。
では、地獄の時間、地獄の数、ループ数を振り返ると
地獄の時間・・・全ての地獄中、99%が4時間、1%が4日
地獄の数・・・数億
ループ数・・・何百万回+一万三十一回
となります。
では数億とはどれくらいを表すつもりで鎌池先生は新約9巻を書いたのかを考えていきます。
適当に2~4億辺りとしたいところですが、ここもしっかり調べていきます。
一旦「数日後」、「数十円」などでよく使う「数」は一体どれくらいを表す表現なのか辞書で検索します。
この辞書には2〜3または5〜6を表すと書いてありますね。
この結果から適当に2億〜6億としたい所ですが、もう少し「数」という言葉について詳しく調べていきます。
(5~6を表すことに不思議さを感じたので調べました。「数」の調べ事はただの趣味です。)
「数日」という表現についてNHKがまとめた記事を見つけたので紹介します。
この記事によると、「若い人程、数日は2~3日と短くなり、60代以降になると5〜6日を表す言葉になる」
と書いてありました。
更に辞書によって数が変わることも分かりました。
「10以下を表す」とかなり振れ幅大きく書いてある辞書もあるそうです。
もう少し詳しく調べます。
(NHKは事実を正確に伝えなければいけないという会社の体制上、数日という曖昧な表現は避けるそうです。それでこのような記事が出来たみたいです。)
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/219.pdf
このページには2002年に行われたNHKの言葉に関する年代別調査(無作為全国2000人)の結果についてまとめられたものが乗っています。
約15年前のデータですが、ここに注目すべきデータがあります。
「2002年当時、20代の人は数百人を200〜300人と表現することが一番多く、何人かを表現する平均値は268人である。」
というものです。
このデータは数日などの数が少なくなる場合とは異なり、百という数が大きくなった場合に「数」はどれくらいを表す表現になるのかを調べたというものです。
これは数億という数にも当てはまるのではないでしょうか。
鎌池和馬さんの年齢について考えているページがあるのでこちらをご覧下さい。(アニオタwikiだけど許して)
このページには鎌池和馬さんは1巻刊行(2004年)の段階で18か19歳であると推定しています。
(高校生で旧約1巻書けるって一体どうなってんだよ……)
2002年の段階では16〜17歳となります。
「若い人程、数は2〜3を表す」というデータ、「2002年当時、20代の人は数百を200〜300と表現することが一番多い」というデータを2つより
鎌池先生は、数億を「2億〜3億」と表すつもりで書いたと考えます。
次に何百万について考えていきます。
ネット辞書から意味を調べていきます。
ここには「数量・程度などが疑問または不定であることを表す。」
と書いてあります。
もうちょっと調べたかったのですが、「何」について調査したものはありませんでした。
なので、この「不定」という意味をそのまま汲み取ります。
すると何百万という表現は
「100万〜900万を表す」ことになります。(ツッコミどころ満載ですが)
よってループの数は
101万31回〜901万31回ということになります。
データが揃ったので実際に上条当麻の年齢を計算してみます。
当たり前ですが、式は
地獄での時間×地獄の数×ループの数+15(上条当麻の年齢)
となります。
では3つのパラーメータについて書いていきます。
地獄での時間
1つの地獄につき4時間のものが99%
1つの地獄につき4〜5日のものが1%
(最小値を求める際は4日、最大値を求める際は5日とします。)
地獄の数
2億〜3億
(最小値を求める際は2億、最大値を求める際は3億とします。)
ループの数
101万31回〜901万31回
(ループの数も同様の操作を行います。)
では計算してみます。
すると結果は
最小値
1134億5553万7001歳
最大値
1兆5921億8356万289歳
となります。
……………はい?……………
余りにも数字が大き過ぎて理解が追いついていません……
最大値だと上条さんの年齢はまさかのテラオーダーとなります。
最低でも上条さんは1000億年程度の地獄を永遠と味わっていたことになります。
折角なので比較対象として「宇宙」の年齢を検索してみました。
ここに宇宙の年齢は約138億年と書かれています。
………あれ?……
上条さんは最低でも宇宙の年齢を余裕で超えてしまっています。
超電磁砲5巻にて絹旗が布束に対して
「命以外何もかも失った超クソッタレな人生がお待ちかねですけどね。」
と言っていましましたが、上条さんの人生は超クソッタレと表現しても軽いくらいのものじゃないんでしょうか……
「最低でも」我々が住んでいる宇宙の10倍近い年月中に2億種類もの地獄を何百万回も味わってきたという……
彼の人生を表現するのに適切な言葉を知っている方は教えて下さい…
生き地獄と表現しても、彼は「2〜3億もの地獄」を味わった訳ですからまだまだ軽い……
上条さんの精神力おかしいよ....
こんなにぶっ飛んでるのに「上条さんだったら乗り越えても全然おかしくない」という思わせるのも彼の凄さではないでしょうか。
神様が認める男というのは伊達ではないです。
という訳で上条当麻の年齢を調べてみましたが、如何でしたでしょうか。
楽しんで頂けたら幸いです。
コメントも大歓迎ですで、お気軽にどうぞ!
長い記事でしたが、見て頂きありがとうございました。